総裁選に出馬している小泉進次郎さんが『年金は80歳からでも良いのでは』と発言したという情報が出回り、『年金80歳』がXのトレンド入りするなど、大きな反響を呼んでいます。
年金80歳だと現在の受給開始年齢からかなり引き上げられることになりますし、国民の負担は確実に増えますよね。
この情報が本当なのかデマなのか、総裁選を控える上で気になる方が多くいるようです。
小泉進次郎『年金80歳』の情報源は?
では、この『年金80歳』という情報はどこからきたものなのでしょうか?
実は、小泉進次郎さんは2019年に『年金の受給年齢を80歳に引き上げる』という趣旨の発言をしていたことがあるようです。
――繰り下げ受給では、現在の70歳上限を75歳までに広げることなどを政府は検討しています。
小泉:現在は上限が70歳で最大42%アップだが、1歳遅らせると約8%アップになるので、仮に71歳受給開始なら50%アップになる。有識者の間には「年齢の上限は不要」「当面は75歳まででよい」などいろいろな意見があるが、選択できる年齢の幅を広げていくことは間違いない。
引用元 : 東洋経済オンライン
との発言はされていますが、これは有職者に対しての考えのよう。
実際、上記の討論がされていたおよそ3年後の2022年4月に施行された改正年金法により、年金受給開始年齢が70歳から75歳に引き上げられています。
しかし、この受給年齢引き上げに小泉氏が直接的に関与したわけではありませんが、発言や議論が影響を与えた可能性は否定できません。
小泉進次郎『年金80歳』はデマ!
前項での情報源を見ていくと
年金受給年齢の『選択できる年齢の幅を広げていくことは間違いない』との発言はありましたが、これは有職者に限ってのこと。
実際には『年金受給年齢を80歳に引き上げる』と言った発言はされていません。
過去の似たような趣旨の発言をメディアが持ち上げたことで、誤解やデマによって広まってしまったようですね。
最近のネット社会において“デマ”は大きな問題となっていますが、メディアの情報の取り上げ方によっても、瞬く間に違った内容が拡散されてしまいますね。
小泉進次郎『年金80歳』に似た趣旨の発言の理由は?
では、小泉進次郎さんはなぜ年金受給年齢の選択の幅を広げ、受給開始年齢を引き上げたいのでしょうか。
現在の75歳でも普通にギリギリ、むしろ遅いくらいに感じている人は多くいるはずです。
小泉進次郎さんが年金受給開始年齢を引き上げたい理由としては、
①少子高齢化
日本の少子高齢化が急速に進む中、現行の年金制度では財政的に持続が困難になってきている
②年金財政の厳しさ
現状の年金財政の厳しさを緩和するために、有職者の年金受給開始年齢を引き上げることで財源を確保したい
③平均寿命が伸びた
医療の発達とともに日本人の平均寿命は少しずつ伸びています。そのため、働く期間を伸ばし年金受給開始を後ろ倒しすることで長寿命化に対応したい
④人生100年時代
人生100年時代に対応するため、現役世代の労働時間を延ばし、経済的な自立を促進したい
⑤社会保障制度の見直し
年齢に基づく社会保障制度の見直しを提案し、柔軟な年金受給制度を目指す
といった考えがあるのではないでしょうか。
日本は急速に進む少子高齢化によって、年金制度が崩壊するのでは?とも言われており財源の確保に政府も困っているのでしょう。
最近はNISAを勧めるなど、個人資産を増やすことにつあても積極的にアピールしていますしね。
われわれは2016年10月に人生100年型年金を提言した。人生100年型年金では、「長く働くことが不利益にならない」「一人ひとりの生き方が多様化する中で、年金を何歳からもらうかは個人が選択できるようにする」といった考え方を示した。
引用元 : 東洋経済オンライン
年金制度を持続させるための考えを示した“発言の一部”のみが切り取られて報道されたことで炎上してしまっているようです。
年金80歳に対する世間の声
かなり炎上しています。
確かに『年金80歳』というワードはかなり強いので多くの人がその言葉のみに反応してしまったのでしょう。
とはいえ、最新の世論調査では次期総裁の予想で小泉進次郎氏はトップになっています。
時事通信が6~9日に実施した世論調査で、自民党の次期総裁に誰がふさわしいか尋ねたところ、小泉進次郎元環境相が25.5%でトップだった
引用元 : 時事ドットコム
まとめ
今回の記事では、小泉進次郎氏の『年金80歳』発言は本当なのかについて調査しました。
結果、明確にそのような発言はされておらずデマであることが分かりました。
『年金80歳』に対して世間では大炎上しているものの、最新の世論調査では小泉進次郎氏がトップになっており、今後の総裁選の行方に注目したいと思います。
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